か行項目

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梶原 春男               

分類  :登場人物

出演作品:『斜め屋敷の犯罪』

 流氷館、住み込みのコック。

金井 道男               

分類  :登場人物

出演作品:『斜め屋敷の犯罪』

 キクオカ・ベアリング重役。口先だけでのし上がってきた、ある意味凄い男。普段は笑ったまま表情を変えず、彼の「普通の顔」を見たものは殆どいないミステリアス・ガイ。妻はグラマーな初江。

加納 通子               

分類  :概ね被害者

出演作品:『北の夕鶴2/3の殺人』
     『羽衣伝説の記憶』
     『涙 流れるままに』他

 吉敷竹史の元妻。大変な美人らしい。かなりの不幸を背負って生きて来た人物で、それは各出演作品に詳しい。
 なんか小犬を助けようとして車にはねられ、それをたまたま目撃した吉敷が病院へ連れて行き(『馬鹿だなぁ、小犬のために大怪我して』とつぶやいた野次馬に対して横たわったまま『犬だから助けたのよ!』と怒鳴ったそうである。昔の通子は結構鋭い)、ほとんど吉敷の一目惚れ状態で結婚に至ったという夢見心地な出会いを果たしている(『羽衣伝説の記憶』に詳しい)。いいなぁ。車は痛そうだけどね・・・「あんた車に轢かれてみる!?」って怒鳴られそうな(笑)。
 ところで、よく考えたら(よく考えなくてもか)吉敷と通子の夫婦は相当すごい事件をいくつも経験している。結婚したらこんなに波乱万丈の人生が待っているものなのか。これを乗り切った吉敷はやはりただ者ではない。
 1951年生まれ。娘が一人いる。

軽石 三太郎              

分類  :テレビマン

出演作品:『嘘でもいいから殺人事件』
     『嘘でもいいから誘拐事件』

 TPSテレビ下請けプロダクション、TPPSの社員。昭和19年生まれ。作品によると、何やらとんでもなく汚い顔をしているようだ。
 初登場時はディレクターで、「やらせの三太郎」というキャッチフレーズがついていた。彼の率いるチームは少数精鋭、「軽石組」と呼ばれ、縦横無尽のやらせを展開するのである。のちにプロデューサーへと昇格、こんどは「タイアップの三太郎」というキャッチフレーズを戴くこととなる。
 性格は豪放磊落を装うが極めて小心。部下にはそこにつけこまれてよくからかわれる。自分で何か創り出す力は皆無だが、人のアイデアを奪い、いじくりまわして軽薄なものへと再構成する腕は、かなり確かなようである。

菊岡 栄吉               

分類  :登場人物

出演作品:『斜め屋敷の犯罪』

 ハマー・ディーゼル下請け、キクオカ・ベアリング社長。女の為には金を惜しまない主義の人。女がらみで週刊誌に載るようなトラブルを二度ばかり起こしている。ハゲ。

雉井 宗年               

分類  :登場人物

出演作品:「舞踏病」

 駒込に住む歯科医で、酔っ払いと大喧嘩をしたために医師免許を剥奪されかかっていた。

北川 幸男               

分類  :登場人物

出演作品:「数字錠」

 吹田電飾社員。社長を除く社員の中でただ一人、看板をまともに描ける人物。妻あり。
 後輩の面倒見がいい、優しい人物のようである。宮田誠少年が吹田電飾に入れたのも、彼のおかげであった。

クイックサービス            

分類  :用語

出演作品:「ある騎士の物語」

 藤堂次郎を中心に設立されたバイク便の会社。藤堂の才覚でまたたく間に成長し、バイク便だけでなく、カレーショップもいくつか出店するまでになった。藤堂と社員4人が恋ケ窪のアパートに住んでいたため、中心はそこということになる。藤堂が会社の資産を売り飛ばして逃げたため、結局は解散になった。

日下 瞬                

分類  :登場人物

出演作品:『斜め屋敷の犯罪』

 慈恵医大6年。なかなか聡明な人物のようである。浜本幸三郎の出題するクイズをことごとく解いた・・・が最後のクイズは解けなかった。

久保                   

分類  :登場人物

出演作品:「疾走する死者」

 「バード・ケイジ」に来ていたジャズ愛好家。部屋の電気が消えたわずかな隙に姿を消し、遠くはなれた線路上で轢死した。

隈能美堂(くまのみど) 巧        

分類  :テレビマン

出演作品:『嘘でもいいから殺人事件』
     『嘘でもいいから誘拐事件』他

 TPSテレビ下請けプロダクション、TPPSの社員。愛称タック(または江の島のクマ)。「アカサカ・キャッツ」というバンドを組んでおり、本人はベースやギターを担当するらしい。
 サードAD時代、彼は軽石三太郎というディレクターのもとで働いていた。その時に猿島の怪事件『嘘でもいいから殺人事件』に遭遇するわけである。その後もいくつかの怪事件に巻き込まれたり自分から飛び込んだりするのだが、結局彼はめでたくディレクターへと昇格するのであった。
 軽石ディレクターとは腐れ縁で、本人はそれほど望んでいないのにいつまでたっても切れない。軽石ディレクターの彼に対する扱いはそれは凄まじく、灼熱の太陽のもとを分厚い着ぐるみを着せ走らせるなどというのは朝飯前だったようだ。しかし彼がディレクターへと昇格できたのも、軽石のやらせ技術を学んだおかげのようであるから軽石を責めてばかりというのもかわいそうだ。
 実は、私は長いこと彼を探偵役と勘違いしていた。よく考えればすぐ解ることなのだが、彼の推理力はかなり弱く事件の解決にはほとんど役に立っていない。しかも記述者であるから彼は正にワトソン役である。彼の周辺にいる、素晴しい直感と思考力を持つ探偵役は、実はターボこと鈴木貴子なのであった。自分を探偵役と勘違いさせるほど目立つワトソンもそうはいまい。
 昭和34年9月23日生まれ。身長1メートル80センチ。

クロ                   

分類  :登場犬

出演作品:「ギリシャの犬」

 背中の黒いシェパードで、青葉照孝の飼い犬、グリースの兄にあたる。青葉淑子の盲導犬だった。兄グリースと同じく、素晴しい犬だったそうだが、何者かに殺害されてしまうのである。

後亀山                  

分類  :刑事

出演作品:「山高帽のイカロス」
     「舞踏病」

 浅草警察署刑事。人のよさそうな人物だが、素人探偵の御手洗に最初はやはり悪印象を持ったようだ。しかし鳥人間事件の解決におよんで、例のごとく御手洗に恐れ入ったのか打ち解け、その後は「舞踏病」事件の解決にも御手洗によく協力した。

小谷 拓康                

分類  :刑事

出演作品:『北の夕鶴2/3の殺人』
     『確率2/2の死』他

 吉敷とコンビを組んでいる若い刑事(と、言っても吉敷シリーズに顔を見せはじめてから時間が経つので、もう立派な中年だろう)。吉敷シリーズ初登場は『北の夕鶴2/3の殺人』でスプーンがどうたらとつぶやいたシーンと思われるが、私が見落としているだけでそれ以前の吉敷ものにも出演していたかもしれない。はっきりしなくてごめんなさい。
 その『北の夕鶴』から『確率2/2の死』あたりの作品ではルーキーらしく吉敷の言うことをよく聞き、将来有望な(?)刑事だった。しかし『奇想、天を動かす』では明らかに吉敷のやり方に不満を見せ、反発しはじめる。吉敷はその信条から、一課内では「浮いた」存在であるだけに、小谷としては吉敷にどこまでもついていくというわけにはいかなかったのであろう。あれほど素直だった小谷は吉敷から遠ざかりはじめ、とうとう吉敷に「小谷は『主任派』」と言わせるほど二人の仲は冷え切ってしまった。憎まれるタイプの人物ではあるが、彼もまた日本型組織構造の欠点が生んだキャラクターと言える。