ドイツ!ミステリー!
切り裂きジャック・百年の孤独 ♪♪♪♪
 本物の切り裂きジャック事件と、ベルリン切り裂き事件という作中の事件が平行して進む。いろんな意味で異質な作品。

 1988年、ベルリンで起こった切り裂き魔事件。その経過は100年前のロンドン切り裂きジャック事件と酷似していた。

 時を隔てた二つの事件を平行して描写するという特殊な形を採用しています。一つはロンドン切り裂きジャック事件。一つはベルリン切り裂き魔事件。ベルリン事件のみならず、現実のロンドン切り裂きジャック事件にまで島田流の解釈が加えられ、解決編でこの二つの事件はリンクし、一応の解決がつけられます。しかしそこには解けない謎が一つ残る・・・それは決して作者のミスではなく、人には解けない闇。その美しさを味わって欲しいですね。ここが一番の見所でしょうか。
 他の見所というと猟奇的描写かな。私などはいろいろ読んでしまったので慣れてしまいましたが、このレベルの猟奇的描写は慣れない人には刺激が強いかもしれませんという感じです。あと、クリーン・ミステリというこの作品にのみ登場する探偵も見どころ。アクが強く、どっかの誰かによく似た感じです。・・・なんて(笑)。
 見るべきところは非常に多く、島田作品でも五指入ると推す人も多いこの作品、小説として、何よりミステリとして華やかで、怖くて、鮮やかで非常に面白いです。