トップページトップでしょぼしょぼ更新しているパクリ企画、「懐に名言を」の履歴です。名言に対する私からの一言も加えてあります。


no.1(01/4/1)
それでもわたしは人を治すんだっ
自分が生きるために!!
手塚治虫 『ブラック・ジャック』

ブラック・ジャックは私が小学生時代に出会った作品。それゆえに、大きな影響も受けたし、大変思い入れの深いマンガであります。筒井康隆氏が「少年達に、カネというものに対する現実を教えた」といった意味の評をこの作品に対して加えていましたが、その通りだと思いますね。


no.2(01/4/6)
おまえもおれをたおすことができないのか。
おれよりつよいやつはもういないのか。
「ストリートファイターII」

初代ストIIのラスボス、ベガの勝利セリフのひとつ。圧倒的に強かったベガ。最終ステージでイライラしていた私は、最強ゆえの哀しみというものをゲーセンで学んだのです。
それにしても、このひらがなの威力よ!


no.3(01/4/11)
愛するひと、愛するひと。わたしはまたあなたに会うでしょう
タニス・リー/井辻朱美 訳 『銀色の恋人』

この作品、あまり巷で話題にのぼりませんが、有名ではないんでしょうか。ロボットと人間の関係を描いた作品としては、独特で結構好きです。


no.4(01/4/22)
彼は自らをマスター・オブ・ベーションと称しているマッド・オナニストで、「オナニー四十八手」などという写真入りの本を出し、それはこの間発禁になってしまった。
筒井康隆「メンズ・マガジン一九七七」

おお何というくだらなさ!


no.5(01/5/2)
愛って、走ることなのね
ああ、愛って、走ることさ
「おじゃる丸」

言い切ってしまうところがなんとも爽快。


no.6(01/5/18)
「犯人は創造的な芸術家だが、探偵は批評家にすぎぬのさ」
G・K・チェスタトン/中村保男 訳 「青い十字架」

探偵小説界で、とても有名な一言。探偵小説中でなされた犯罪の、一つの真実を表現している、と言ってよいでしょう。


no.7(01/6/1)
彼女の脚気の心臓がドキドキ動悸を搏っているのが、ジョウゼットの服の上から透いて見えた。
谷崎潤一郎 『細雪』

文学から、こんな一言。抜き出すとどうってことはないかも知れないけれど、小説の中で読むと何とも谷崎流!


no.8(01/6/13)
棋士には
月下の光が
よく似合う
.........ってな。

能條純一 『月下の棋士』

印象的な台詞。漫画ならではです。


no.9(01/6/20)
人間ども
いまにみろ
ひとり残らず
もみくちゃに
してやる

手塚治虫 『メトロポリス』

善と思っていたミッチイの急激な変貌。その衝撃が強く心に残った一言です。


no.10(01/7/01)
蝶のように、貝殻のように、捺花のように、人形のように、可憐な少女をガラス箱のなかにコレクションするのは万人の夢であろう。

澁澤龍彦 「少女コレクション序説」

うーん、なんかいい。


no.11(01/7/16)
従って、読者は意外な真相、膝を打つ解決、驚嘆すべき大トリック等、いっさいのミステリ的カタルシスを求めてはならない。

竹本健治 『ウロボロスの偽書』

とりあえずミステリと思って読んでいたので、この断りには頭がくらっとしました。凄すぎる(笑)。正に読者への挑戦。


no.12(01/7/25)
. . . .今夜は
お前と俺で
ダブルライダー
だからな

村枝賢一 『仮面ライダーSPIRITS』

熱い。極めて熱い。火傷します。


no.13(01/8/1)
ぼくはばらばらに崩れていくんだ、だからきみにここにいてもらいたくないんだ

ダニエル・キイス/小尾芙佐 訳 『アルジャーノンに花束を』

もの哀しい一言。文句のない名作。


no.14(01/8/10)
そしてもう一度 やりなおそうよ
天使なんかじゃないけど
晃のためなら あたし天使になる

矢沢あい 『天使なんかじゃない』

この作品の異常に高いテンションは少女マンガ随一でしょう!そのテンションの頂点に位置する一言。


no.15(01/8/18)
それなら私の一生もむだではなかったのね。

ルイザ・メイ・オルコット/吉田勝江 訳 『続 若草物語』

アニメ版が有名な『若草物語』ですが、小説版だってとても素晴らしい。とくによいのが『続 若草物語』。その中から三女ベスの泣ける一言。この作品により、でんでん伝言板アクティブ・ROMの間でベスブームが発生しました。


no.16(01/9/1)
「そういう人々がいるところに、わたしはいたくないのです」

宮城谷昌光 『介子推』

歴史小説で人気の作家、宮城谷昌光さんの作品より。必死で仕えてきた主君たちが変化してゆくさまに耐えられなくなった主人公の一言。「そういう人々」と言い切るところが強いです。


no.17(01/9/?)
もう嘘じゃない、
もう刷っている!!

ヤングマガジン『AKIRA』第6巻発売予告記事(『AKIRA CLUB』より)

実際に見たことはない広告なんですが・・・凄すぎる一言(笑)


no.18(01/10/2)
「あらゆるものに意味がありますよ」とエラリイが大きな声で言って振りむいた。

エラリイ・クイーン/乾信一郎 訳 『チャイナ・オレンジの秘密』

エラリイは不滅です!


no.19(01/11/1)
「たぶん、もっと複雑になっていくだろうね」
「え、どうして?」
「それが、自然の法則だからさ」

森博嗣 『笑わない数学者』

ちかごろ森博嗣ばかり読んでいます。森作品には名言がいっぱい。その中からこの一言。


no.20(01/12/1)
「わたしたち、たったいまそこで俳句を目撃したのね!」

ルーディ・ラッカー/大森望 訳 「日本のアーティフィシャル・ライフ」

うーん、外国人にしか言えない言い方だと思う。「俳句を目撃」。ちなみに、日本庭園で鯉が跳ねた瞬間を見ての一言だとか。


no.21(02/1/5)
言いかえれば、ストレスは常に悪いわけではありません。ストレスを引き起こす挑戦や変化は、新しい生活環境への適応のチャンスを与えてくれる場合もあるのです。

フロイド・E・ブルーム/久保田競 監訳 『脳の探検 下』

物事は角度を変えて見ると姿を変える。・・・ような気が(笑)


no.22(02/2/1)
 黒い夜空で、地球の姿が変った。
 ぽっと火に包まれた。

レイ・ブラッドベリ/小笠原豊樹 訳 『火星年代記』

火星年代記でもっとも好きな部分です。


no.23(02/3/1)
額田は苦しいと思った瞬間、鬼火を見た。

井上靖 『額田女王』

井上靖の西域ものなど、とても好きですが、現実と非現実が渾沌としたようなシーンが垣間見えるこの作品も大好き。


no.24(02/4/2)
勝っても負けても、ザクはジオン兵の友だった。

円道祥之 『機動戦士ガンダム 兵器モビルスーツ』

いいなぁ、ザク。やっぱザクなんだよ。ザックザク。ヤフオクで買おうとしたほどだもん(大嘘


no.25(02/4/22)
しかし、科学は、本質的に、答えられる問題を探し出して、それに答えるだけのものである。

柳澤桂子 『生命の奇跡 DNAから私へ』

そう、そういうことなのだ。何にでも答えてくれるわけじゃないのだ。


no.26(02/5/1)
私が幻であることを願う
それが、この星にとって幸せであるのなら

「劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン・ルギア爆誕」

う〜ん、いい台詞です。やまちゃん最高です。


no.27(02/6/2)
 だが彼は、どんなにこれを繰り返そうと、夏への扉を探すのを、決して諦めようとはしなかった。
ロバート・A・ハインライン/福島正実 訳 『夏への扉』

SF金字塔『夏への扉』よりこの一言。古きよき香りのする名作です。


no.28(02/6/18)
でも サッカーは
10秒あれば
1点とれるんだ

高橋陽一 『キャプテン翼』

W杯に合わせてのセレクト。「サッカーはおれの夢だ」「ボールはともだち」などなど、数々の名言を生んだ『キャプテン翼』ですが、私が一番好きなのはこの言葉です。確かにサッカーは、縦パス一本から10秒あれば一点取れる。それはかぎりなく低い可能性かも知れませんが、まるきり不可能ではないのです。そう考えると、何事でもあきらめちゃいかんのだ、という気になってきます。サッカーの応援をする時ももちろんこの言葉連呼(笑)。
この名言が生まれた南葛・武蔵戦は翼史上に残る名勝負。同点に追い付いてからの翼くんは正にこの名言を体現しております。


no.29(02/7/1)
暗褐色にぬるりと光った肝臓に、一円硬貨や十円銅貨をばら撒いたように大小さまざまの灰白色の癌が一面に散在している。

山崎豊子 『白い巨塔』

こうして抜き出してみるとどうってことないのですが、小説で実際に読むと非常に強烈な一言。そこいらの怪奇小説よりよほど気味が悪いのです。


no.30(02/8/1)
健全な人間が、《人殺しは露見する》などという、古めかしい妄想にどうしてとりつかれているのか、僕には理解のほかだね。

ヴァン・ダイン/井上勇 訳 『ベンスン殺人事件』

探偵小説らしい一言。ずばりと言い切るファイロ・ヴァンスが好きです。


no.31(02/9/1)
世の中ってソンナもんよ。神様の裁判だけが正しいのよ。

夢野久作 「少女地獄」

夢野久作と言えば『ドグラ・マグラ』。だけど、個人的にはこっちの方が好きかも。「死後の恋」という作品も好きですねー。


no.32(02/10/1)
人という存在は、遺伝子の川に浮かんでは消える泡のようなものだ。

東嶋和子 『死因事典』

カッコええ。カッコええ一言だ!


no.33(02/11/1)
そうか・・・・いつも虫けらだけがおいらたちのことをわかってくれてるんだな・・・・

水木しげる 「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪獣」

じんときます。人知れずやってきて、トラブルを解決して帰って行く鬼太郎一行。彼らのことをわかっているのは虫たちだけ。


no.34(02/12/1)
「神というものはあるのかなあ」

遠藤周作 『海と毒薬』

やはり、こう、凄いと言われている作品の台詞は凄いのです。それだけ見たらどうということはなくても、作中に配置されると恐ろしいほどの効果が出るのです。


no.35(02/12/20)
議論に勝つ方法なんてないんですから

ルーディ・ラッカー/黒丸尚 訳 『ホワイト・ライト』

コミカルな作品の中に潜む、素敵な名言です。


no.36(03/1/5)
大きなロースト・ビーフを熱で調理しようと思うと、四時間かかる。木、電気、核エネルギー、ブラック・ホールの蒸発、太陽光線、そして牛のふんのどれから得られた熱でも関係ない――熱でローストするには四時間かかるのだ。

ロバート・L・フォワード/久志本克己 訳 『SFはどこまで実現するか』

SFファンにはバイブルとも言える?一冊から。洒落っ気たっぷりで気の利いた一言ではないでしょうか。


no.37(03/2/1)
ずーっと泣いてる子なんてどこにもいないよ。

「おジャ魔女どれみドッカ〜ン!」

おジャ魔女どれみ終了記念。
「やまない雨はない」「明けない夜はない」といった台詞の、いわばおジャ魔女版。らしい一言ですね。ずっと泣いてる子なんてどこにもいない。


no.38(03/3/1)
じゃ、さよなら、もしできたら、そのことをたのしい気持ちで思い出してね

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/浅倉久志 訳 「たったひとつの冴えたやり方」

名手、ティプトリー・ジュニアの中でもとりわけ好きなこの作品からチョイス。暖かく、優しく、そして哀しい一言です。


no.39(03/4/1)
つまり、かれらに課せられる過重な労役は、一種の「緩慢な死刑」でもあった。

吉村昭 『赤い人』

吉村昭さんの小説は大好きです。『赤い人』では、「緩慢な死刑」という言葉に、ある種の衝撃を感じました。


no.40(03/4/7)
コンピューター作動せよ!
あの機械人形に理性を吹き込め!

手塚治虫 『鉄腕アトム』

2003年4月7日はアトムの誕生日。アトム誕生の際の天馬博士の一言です。何やらアトムの第一話ってのはいろんなバージョンがあるらしく、これはたまたま手許にあった講談社KCスペシャル版『鉄腕アトム』の「アトム誕生の巻」から採ってます。他のバージョンではどうなってるんでしょうね。


no.41(03/5/1)
いいか、野球ってのは単純なゲームだ。ボールを投げる、ボールを打つ、ボールを獲る。わかったか!

「さよならゲーム」

映画「さよならゲーム」より。少年ジャンプとかでよくありそうな話なんですが(笑)、なぜか好きなんですよ。


no.42(03/6/1)
「ひとぶた!」

小林泰三 「人獣細工」

なんて言うか、インパクト(笑)


no.43(03/7/2)
たる。

「マリーのアトリエ」

PSゲーム「マリーのアトリエ」からですが、なんて言うか、これもインパクト(笑)。たるに向かって話しかけたら、主人公のマリーがただ一言「たる」と言うんですね。面白くて何度も話しかけてました。ゲームそのものは傑作です。もやもやとしていたRPGの新しい可能性を、ハッキリ形にして見せたようなゲームだったのではないでしょうか。


no.44(03/8/1)
グラン・ローヴァはもういないよ

紫堂恭子 『グラン・ローヴァ物語』

紫堂作品は名作ぞろいだと思うのですが、中でも私が好きなのはこの『グラン・ローヴァ物語』です。ラスト付近がじんときて、何とも...


no.45(03/9/1)
ここから出られないとしたら、それでもここは楽園なのだろうか?

有栖川有栖 『双頭の悪魔』

名言らしい名言だなあ、と思った次第です。有栖川作品では珍しい大ボリュームのこの作品、たっぷりと堪能しましたよ。


no.46(03/10/2)
(こいつは将棋の鬼だな)と、私は病み上がりのげっそり肉の落ちた小池の頬に目をやりながらはっきりと感じた。

団鬼六 『真剣師 小池重明』

将棋の話、面白いです。棋士ってすげぇなあと思うことしきり。


no.47(03/11/2)
「いろんなことが、ただつぎつぎとおこっていったんです」とわたしはいった。

ジョン・バーンズ/小野田和子 訳 『軌道通信』

これねえ、ちょっと変わってておもろいですよ!あんまり売ってないんですけど(しゅん)。


no.48(03/12/1)
「あなたがかかっているのは、人びとという名の病気です!」

レイ・ブラッドベリ/伊藤典夫 訳 『オリエント急行、北へ』

「人びとという名の病気」ってのが何とも。ブラッドベリと言えば個人的にはSFな感じですが、こういうのもおもろいです。


no.49(04/1/5)
倉の中には冬期の食糧として貯えてある乾魚や、雁や鴨の干したのがぎっしりと積まれてあって、その臭気が堪え難かった。

井上靖 『おろしや国酔夢譚』

この年開いた臭祭りにちなんで(笑)。いや、そうじゃなくても面白いですよ、この作品。


no.50(04/2/1)
「おぬしの、誇りとは?」
「敗れざること」

北方謙三 『三国志』

記念すべき(?)50個目の名言は北方三国志から。実は初めて読んだ三国志小説なんですけれどもね。呂布が実に熱い。火傷しますよ、ハイ。


no.51(04/3/1)
ゾムに見送られ、わたしはシュミロッカを背にした。北へ行くごとに少しずつ過去と訣別していくような気がしていたのだが、自らの青春との別離を感じたのははじめてのことであった。

筒井康隆 『旅のラゴス』

筒井康隆名言二本目です。素っ敵なんですよ、これ。読みましょう。読みましょう。


no.51(04/4/1)
桜の森に囲まれた、小さな教会で、あたしたちはもうすぐ式を挙げる。

折原みと 『永遠のみえる日』

折原みとは結構読みました。中でもやはり天使シリーズがいい。シリーズものならではの楽しさです。


no.52(04/5/4)
みずからすすんで地獄を克服した男がいたんだ!
おなじ条件で!
人間の尊厳を!
男の紋章ってやつを!
つらぬきとおして死んでいった男をおれは身近に知っていたんじゃねえかっ!!

高森朝雄/ちばてつや 『あしたのジョー』

ジョーですよ、ジョー!ジョーといえば今も語り継がれる名言が多数ありますけれど、ここはあえて金竜飛戦でジョーが叫んだ言葉をセレクト。力石への思いが伝わってくる名言です。


no.53(04/6/1)
「本能ってなんだい?」
「青い考えさ」

ブライアン・W・オールディス/伊藤典夫 訳 『地球の長い午後』

古典名作からのチョイス。なんかもうこれぞSF、と思える作品でござる。


no.54(04/7/1)
いった いった
テリーがいったーっ!!

ゆでたまご 『キン肉マン』

アメリカでのタッグ戦にて。やっぱテリーが一番かっこいいと思います。そしてテリーと言えばこの実況。


no.55(04/8/2)
わたしは放銃を怖れてはいない。

小島武夫 『麻雀・私ならこう打つ』

麻雀指南本の前書き冒頭にて一言。もう雷に打たれたような衝撃。


no.56(04/9/1)
人間の善悪はむしろ晩節にあるのだよ

永井荷風 『つゆのあとさき』

文学よりひとこと。なんだか深そうだけどまだ晩節でないのでよく分からない。


no.57(04/10/1)
だけど機械の神だってやっぱり神だわ。

笠井潔 『サマー・アポカリプス』

初期三部作でも評判のいい一作より。小説では「機械の神」に「デウス・エクス・マキーナ」とルビふってあります。


no.58(04/11/2)
どんながんこ者の中にだって、ロマン主義者は住んでるんだわ。

江戸川乱歩 「十字路」

超有名作品というわけではないと思いますが、なかなか面白かったです。


no.59(04/12/1)
一人が倒れると将棋の駒のようにつぎつぎと倒れて行くのがこの遭難の特色の一つであった。倒れるだけ倒れた後、生き残った者はまた歩き出した。

新田次郎 『八甲田山死の彷徨』

映画版ですごかったシーン。


no.60(05/1/4)
どんな物だろうと、
自分の萌える心とは交換出来ないはずです!

「セガガガ」

ドリームキャストの隠れた(?)名作「セガガガ」より。C研攻略編の盛り上がりは凄かった。けど私、エンディングとかろくに埋めてないんですよね(-_-;)


no.61(05/2/1)
人生は冗談よ、死がそのオチだわ

ブルース・スターリング/小川隆 訳 『スキズマトリックス』

読むのにえらく時間のかかった小説。しかし壮大な世界観は凄まじかったとです。


no.62(05/3/1)
私は、去年三月、心に深く憤ることがあって、ある大学を静かに辞職して去りました。それによって心はさわやかになりましたが、急に止めましたので、生活は大変むつかしくなりました。

今道友信 『西洋哲学史』

実にストレートな言い回しの連続。なんか分からんけどかっこいーなーと思った一言です。


no.63(05/4/1)
「来たわよ、船乗りさん。わたしも飛んだの」

コードウェイナー・スミス/伊藤典夫 訳 「星の海に魂の帆をかけた女」

いいですねえ、スミス。結構むつかしい話が多い中、この作品はSFらしくてスミスらしくて好きです。


no.64(05/5/5)
友情は成長のおそい植物である

ゆでたまご 『キン肉マン』

肉名言といえばいろいろありますが、やっぱこれでしょう!


no.65(05/6/1)
小さな輪と大きな輪がぐるぐるまわるにつれて、スカートは波うち、ブーツはカチカチとなる。

ローラ・インガルス・ワイルダー/こだまともこ・渡辺南都子 訳 『大きな森の小さな家』

実はこのシリーズがかなり好き。原作とは結構違いがありますが、TV版もよく見ておりました。


no.66(05/7/2)
悪は常に可能なのだ。しかも善は永久に困難ときてる。

アン・ライス/田村隆一 訳 『夜明けのヴァンパイア』

熱烈なファンのいるシリーズだそうで。何だかもうあぶなーい空気が良かったですね。


no.67(05/8/3)
いもうとミサイル!!!!

大亜門 『無敵鉄姫スピンちゃん』

これ、なかなかおもろかったのにあっという間に終わりました(笑)。


no.68(05/8/22)
オフィスまで十分というのは困ったものだ。遅刻しそうになった場合に、通勤途上で時間の遅れを取り戻すことができない。

ローラ・リップマン/岩瀬孝雄 訳 『チャーム・シティ』

まあ、まあ、面白かったです。しかし内容よりもさべあのまさんの表紙にひかれて買った(笑)


no.69(05/9/3)
それにしても、この世には探偵小説でしか語れない真実というものがあるのも、また事実であるんだぜ

山田正紀 『ミステリ・オペラ』

昔の作家さんはSFとミステリを同時に書く人が多くて独特の味が出ます。


no.70(05/10/4)
パウダーはさ
ほんとに君とにてるんだ
手の先がちょっと黒いとこだけちがってるけど

大島弓子 『綿の国星 シルク・ムーン プチ・ロード』

『綿の国星』。少女マンガがもっとも輝いていた時代。泣きます。


no.71(05/11/4)
男はな 作ってくれた料理はぐだぐだ言わずになんでもおいしく食べる!
これが一番カッコイイんだぜっ!

うえやまとち 『クッキングパパ』

これなかなかいい台詞だなと。


no.72(05/12/3)
ああ、トマスよ、トマス、自分で自分のゲームのルールを決めることはできても、ゲームに勝つことはできないぞ

R・A・ラファティ/井上央 訳 『トマス・モアの大冒険』

難しい小説だった。面白いか面白くないかと言われればぶっちゃけ面白く無かったですが、数々の奇想と示唆に富んだ会話には驚嘆するばかり。


no.73(06/1/3)
「子供が生意気言うな。おまえさんぐらいの年齢ってのは、公然とバカでいて許される時期なんだからな」

上遠野浩平 『機械仕掛けの蛇奇使い』

ライトノベル界のキング、という位置付けの作家さんでしょうか。面白かったですね。


no.74(06/2/1)
ゼガー、ゼガー。あーん、カバのばかあ!!

山川惣治 『少年ケニヤ』

小さい時夢中になって読みました。なぜか心に残ってる場面がこれ。カバのばか。


no.75(06/3/2)
 叫ぶなり誠一郎はその義仙に横殴りの一刀を送った。義仙の長刀がそれを受けて鏘然と鳴る。これは記念すべき一刀だった。以後、長い長い闘いをくり返すことになる、誠一郎と義仙の、これが最初の鍔競り合いになったからである。

隆慶一郎 『吉原御免状』

ちょいと長いですが、これぞという場面、筆致。かっこいい。このシリーズ、2冊しかないですがめちゃ面白いです。


no.76(06/4/1)
人は本当の自分で生きている時は
あんなふうにささくれ立ってはいないものだ

紫堂恭子 『癒しの葉』

二回目でしょうか。紫堂恭子、やはりいいですねえ。うん。


no.77(06/5/1)
ジュチがモンゴルの狼たらんとしているように、成吉思汗も亦、モンゴルの狼たらねばならなかった。

井上靖 『蒼き狼』

井上靖の歴史小説は淡々としていていいです。文章に品があります。


no.78(06/6/2)
しかし、ともかく、神はニールを地獄へ落とした。

テッド・チャン/古沢嘉通 訳 「地獄とは神の不在なり」

テッド・チャンというのは現役SF作家の中でも最高の評価を受けている内の一人。噂に違わず面白かったです。特にこの作品、SF観や文化的背景やいろいろ感じるとこが多かった。


no.79(06/7/3)
東宮さま、おノイローゼなんじゃないかしら。

氷室冴子 『なんて素敵にジャパネスク』

ジャパネスク!大好きなんです。漫画版をよく読みましたが、近頃10年ぶりにその続編が開始されました。嬉しかったですねえ。これを期に小説版を手に入れて読みましたが、これも面白かった。中でもこの名言。東宮さまがおノイローゼ。もうこういうノリこそがジャパネスクの真骨頂ではと思うわけです。


no.80(06/8/1)
ハーリング・フルートミグは『ガイド』を作り、正直と理想主義という基本原則を確立し、破産したと言われている。

ダグラス・アダムス/風見潤 訳 『宇宙クリケット大戦争』

名作と言われながら長らく絶版状態だったSF、「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの三作目より。どうしても手に入らない作品があったのですが、最近新訳版が刊行されやっと欠番が埋まりました。上記名言は旧訳版ですね。


no.81(06/9/3)
四、五日先の晴天の時、街を通りし鍛冶屋の屋ねへ、どぢやう廿ばかり落て撥々たるを見たりと。

朝日文左衛門 『鸚鵡籠中記』(神坂次郎『元禄御畳奉行の日記』より)

なんか江戸時代は面白うござる。どじょうが空から振ってきたそうでござる。鳥が空からくわえたとじょうを落っことしたためだろうということですが、くすりと笑った一文。


no.82(06/10/3)
きっと、ヴェリー・スペシャル・ロイヤル・グッドな王子様のような相手に巡り合って、《馬の腰》に乗れるよ、お姉ちゃん、きっと!

山口雅也 『垂里冴子のお見合いと推理』

この作者さんにしては珍しくオーソドックスなミステリでした。笑って泣いてほんわか読めましたよ。


no.83(06/11/6)
原因は結果に勝る存在である。なぜなら、結果は原因に依存しているが、原因は結果がなくとも存在しうるからである。

佐々木健一 『タイトルの魔力』

なるほど、と。


no.84(06/12/7)
俺の身体も、俺の時間も、全て俺のもんだ。
お前らのいいようにさせるか!

「爆竜戦隊アバレンジャー」

なぜかPCの中にこの台詞が残っていました。


no.85(07/1/4)
だが、スーパーマンのセックスの処理は、厳密に生理学上の、そしてきわめて現実的な問題である。

ラリイ・ニーヴン/小隅 黎・訳 「スーパーマンの子孫存続に関する考察」

これがまあ抱腹絶倒の短編。ヒーロー物を科学的かつ真面目に考察した白眉ではないかしら。


no.85(07/2/1)
つまり「ユビキタス・コンピューティング」と「バーチャル・リアリティ」ではコンピュータの使われ方が決定的に異なるのであり、お互いは似て非なるものなのだ。

坂村健 『ユビキタス・コンピュータ革命 ―次世代社会の世界標準』

ユビキタスコンピューティングと一般に広まり始めて久しいですが、その中身はというとなかなかよく分からない。この本は分かりやすかったです。


no.86(07/3/4)
「あの時もこうすればよかった」

小林泰三 「独裁者の掟」

SFらしい面白さを持つこの人の短編。硬質な雰囲気の中にウェットなものを織り込む手練が好きです。


no.87(07/4/5)
ヒマワリの茂みの中から黒猫が後ろ足で立って歩き出てきた。

神林長平 『敵は海賊・海賊課の一日』

なんかもう雰囲気が非常に好きなシリーズ。なんてことない一文に見えますが小説の中で読むと非常にウケます。


no.88(07/5/3)
ママ
これで よかったのよね…!?
だって アタシ
本心から こーしたいって思ったのよ………

さべあのま 『ギジェット』

いーい話なんです。独特の雰囲気を持ってる作家さんです。絵もいいし、モノローグもよい。


no.89(07/6/3)
力が無いから、知恵がいる、勇気がいる。

ゲーム「ロマンシングサガ ミンストレルソング」

いわゆるロマンシングサガのリメイク板より。いいですねえ、フリーシナリオ。


no.90(07/7/2)
だが、もし人間から感覚や感情、さらには知恵や道徳まで除去してしまえば、あとに何が残るというのであろうか。実は何も残らないというのが真相である。つまり人間の自然の本性は虚無なのである。

森三樹三郎 『「無」の思想 老荘思想の系譜』

ややこしい。ややこしいけどなるほどなるほどと。思想なんてそんなもんかも。


no.91(07/8/4)
ただ絶対に言えるのは、「将棋を大事にする」気持ちが必要だということです。

谷川浩司 『谷川流 攻めの手筋』

かっこいいっす!


no.92(07/9/6)
また打ち切られちゃいましたー!

大亜門 『太臓もて王サーガ』

好きだったんだけどちょっと半端なところで終わってしまった。でも、ジャンプコミックスでこう書いてしまうところが素晴らしい。


no.93(07/10/4)
これからの数分間に、僕がどんなに多くのことを学ぶか考えてごらん。
生きている誰よりも賢くなるんだ。
僕は真実を知る。
もうほんの数分で。

アニメ「風の少女エミリー」

モンゴメリ原作のアニメより。恩師の臨終という涙涙の名シーンの深いセリフ。久々に世界名作劇場気分と明夫声を味わえて楽しかったです。


no.94(07/11/5)
之を知るを之を知るとなし、知らざるを知らずとなせ。是れ知るなり。

『論語 為政編』

おお、名言集のようだ。


no.95(07/12/3)
お前ら、もっと軽やかに生きられんのか

ゲーム「バルドフォースエグゼ」

名作ゲームより。ほんと、よくできてます。アクションゲーム好きには超オススメ。


no.96(08/1/5)
結局、日本の古代の釘が朽ちないのは、純度、環境、そしてスラグの積層隔壁が優れていたからであろう。

志村史夫 『古代日本の超技術』

なんか分からんけど心に残った一節。本は非常に興味深い内容でしたよ。


no.97(08/2/3)
これに比べれば、芸術は何はともあれ再現不可能な一回性を特質とし、主観的であり個性的であることが約束され、むしろ普遍性を退ける傾向を有している。

坂崎乙郎 『幻想芸術の世界』

ああなるほどと。


no.98(08/3/4)
ブラッドはまた食べた。前の晩ののこりが、たっぷりあったからだ。

ハーラン・エリスン/伊藤典夫・訳 「少年と犬」

なんのこっちゃと思われるかも知れませんが、本編で読むとなかなか衝撃的な。


no.99(08/4/4)
しかしそういう長眠者たちは、感覚の鋭さや感受性の強さ、自己を感じたり追求したりといった能力を生まれながら持ったことを感謝すべきだろう。
アラン・ホブソン/冬樹純子・訳 『夢の科学』

あんまり寝ない人、常に眠たい人、それぞれ特質があるのだなあと。


no.100(08/5/6)
「おたくの羊は本物ですか?」とたずねたりするのは、相手の市民の歯や毛髪や内臓が本物かどうかを質問するより、もっとはなはだしい無作法とされているのだ。

フィリップ・K・ディック/浅倉久志・訳 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

超有名作品からの名言。なぜか心に残っている場面。


no.101(08/7/5)
ボクもオッパイで

柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』

オッパイを揉む権利を賭けた「真剣」(賭け将棋)に挑もうとする名言。「それのどこが真剣なの?」とは傍に居た女性棋士の言。まさに女には分からぬ境地です。


no.102(08/8/6)
女という生きものには、過去(むかし)もなく、さらに将来(ゆくすえ)もなく、ただ一つ、現在(いま)のわが身あるのみ……ということを、おれたちは忘れていたようだな

池波正太郎『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』

かっこいいですねえ。鬼平大好きです。


no.103(08/9/6)
女という生きものは、おのれが納得してえがために、どんな嘘でも平気でつくのだ

池波正太郎 『秘密』

はい、前回に引き続き、池波正太郎「女という生きものは」シリーズです。


no.104(08/10/4)
由布姫が死ぬなどということは、彼には到底考えられなかった。由布姫が居ないこの世というものを、勘助はどうしても考えることはできないのであった。

井上靖 『風林火山』

大河ドラマにもなった小説より。原作を見るに、あのドラマはなかなかよくできていたですねえ。


no.105(08/11/3)
茶々は秀頼と自分との距離が次第に縮まるのを、気の遠くなるような思いで見守っていた。そして、この時、茶々は何故かふと、この幸福は長く続くことはないであろうと思った。

井上靖 『淀どの日記』

井上靖シリーズ!面白かったです。浅井三姉妹というのはいいですねえ。


no.106(08/12/4)
老人は白隠の胸ぐらをひっつかんで、拳で五、六十も打ちすえて押し倒した。

秋月龍ミン(王へんに民) 『白隠禅師』

なんだかよく分からないですが、読むとなかなか味わい深いエピソードです。イッツアゼン。


no.107(09/1/4)
 やがて村山はうめくように、そして自分に言い聞かせるように盤に向かって呟いた。
「何て、強いんだ」

大崎善生 『聖の青春』

将棋ものをちょくちょく読みますが、これも噂に違わぬ良書でした。やはり将棋指しはよい。


no.108(09/2/4)
おまえはもともと
私たちと同じ
ただの土だったのだから

藤田まぐろ 『ねりんぐプロジェクト』

この人の作品が結構好きです。中でもいいのがこれ。ラストページの鮮烈さが最高。


no.109(09/3/4)
もはやエロを突き抜けている。シュールレアリスムである。

永山薫 『エロマンガ・スタディーズ 「快楽装置」としての漫画入門』

笑った一言。エロを突き抜けるとシュールレアリスムになるのかと(笑)。さもありなん。


no.110(09/4/4)
ところがそこへふらふらと飛び出していったのが、麻薬常習者の金田一耕助で、見事にかれがこの難事件を解決してのけたのである。

横溝正史 「本陣殺人事件」

(たぶん)金田一耕助初登場の作品より。なんと、金田一はかつて麻薬常習者だったのです。驚き。ホームズとかもそうでしたかねえ。


no.111(09/5/4)
天明三年(一七八三)十二月二十五日未明、享年六十八の生涯を一期とした。

藤田新一 『蕪村』

教養系の新書から。かっこいい言い方だなあと。


no.112(09/6/4)
 見えたのは、十五、六の少女の顔である。それが。――
 美しいなどいう形容では追いつかない。まさに人間世界のものではない。珠を刻んで、霞でぼかして、しかも月光がさしたようだ。

山田風太郎 『忍法創世記』

要は「美しい」ってだけでございますよ。それを、「珠で刻んで、霞でぼかして、しかも月光がさしたよう」!こういう風に書けるというのは衝撃でした。


no.113(09/7/4)
 一般に大げさにいう「人生」などというものの大部分は、生物学的に見ると、ゲノムDNAによって作られた生命体をなんとか維持し、相手を見つけてDNAを次代に残すための日頃のメンテナンスに関わる単なるエピソードの積み重ねにすぎない。

大石道夫 『DNAの時代 期待と不安』

これだから科学者ってやつあ!


no.114(09/8/7)
一 丹波国日向守働 天下之面目をほとこし候

織田信長筆「佐久間信盛折檻状」(谷口克広 『信長軍の司令官』より)

丹波国日向守というのは明智光秀のことです。すなわちこれは信長が光秀を褒めた一文ということになります。


no.115(09/9/5)
ついでにいうと陸奥の政治的経歴にいつも影が形にそうように寄りそっていた原敬も、同様に伊藤人脈にはいっていった。

岩井忠熊 『西園寺公望 最後の元老』

影が形にそうように。側近かっこいい。


no.116(09/10/3)
けっきょく、FBIはケビン・ミトニックの逮捕に七年もかけてしまった。

S・ル・ドラン P・ロゼ/桑原透・訳 『世界ハッカー犯罪白書』

ケビン・ミトニックというのはハッカーですね。世人がイメージする「ハッカー」のようなことをやったハッカーは存外少ないのですが、ミトニックはそれを綺麗にやった人と言えます。そしてこの人をとっつかまえたのが凄腕のコンピュータ技術者、しかも日本人で…という中々面白い話なんですよ。ミトニックは今はセキュリティの側に回っているとのことです。


no.117(09/11/4)
私たち人間の意識を生み出している脳は、複雑ではあるが、物質であることに変わりない。コンピュータと脳の間に差があるとすれば、その差は、両者の動作原理に求められなければならない。

茂木健一郎 田谷文彦 『脳とコンピュータはどう違うか―究極のコンピュータは意識を持つか』

なるほどなるほど。


no.118(09/12/4)
それじゃ、私たちSENGOKU PRINCESSESの紹介を始めるわよ!

橋場日月・著 戦国萌姫研究会・編 『戦国美麗姫図鑑 萌える乱世の女たち』

この序文なのに中身はちゃんとした歴史本です。すごい(笑)。


no.119(10/1/4)
人は必ず死ぬ。だから医療は必敗の戦いになる。

海堂尊 『死因不明社会 Aiが拓く新しい医療』

かっこいい、と言ったら不謹慎でしょうか。それはそれとして、中身は非常に濃い本だったと思います。Aiという切り口で分かりやすく現代医療の問題点を解説してくれていました。世間的にも結構訴えた本だったみたいですね。


no.120(10/2/4)
いままで志願者の少なかった警察官が、昨年の応募数は関東方面で五、六倍、関西方面では十倍だそうです。それだけ若い人が大企業からしめだされているとみてよい。

松本清張 『対談 昭和史発掘』

昭和五十年くらいの状況ですが、今とあんまりかわらないですね。そんなもんなのかも知れません。それにしてもこれ、手強い本でした。描かれてる事柄がややこし過ぎて、全部は把握できてません。しかし、40年近く前における戦前・戦後の把握と未来への展望というのは何か非常に考えさせられるものがありました。


no.121(10/4/4)
あああ ― 死の神々よ!

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/浅倉久志 訳 『輝くもの天より墜ち』

SF翻訳家の浅倉久志さんが亡くなったことを悼んで。翻訳SFだ!と膝を打つ一言です。ちなみにこの作品、浅倉訳だから取り上げただけでなく、一本の作品としてもよいです。叙情的で儚くて、なのにどこかグロテスクな圧力がある。ティプトリー作品の真骨頂。


no.122(10/5/4)
公開鍵暗号は、原理的な解読不可能性をねらわず、解読可能だが、それに長時間かかるので実用上十分だ、というすきをねらった点に、すぐれた着眼がある。

一松信 『暗号の数理』

公開鍵暗号は解読可能である、という紛れもない真実。


no.123(10/6/4)
衣の支配の及ばない淵底の向こう…
王牌から牌を掠めていく敵!!

小林立 『咲-Saki-』

卓の上には世界があります。


no.124(10/7/5)
亜利夫はやっと自分を取り戻したようにいった。

中井英夫 『虚無への供物』

「亜利夫」ですよ。なんちゅう名前ですかコリャ。


no.125(10/8/4)
しかし数寄屋造の明確な定義づけはむずかしく、日本建築のよさというような漠然としたところがある。

井上光貞・監修 『歴史散歩辞典』

建築にかぎらず、様式というのは連続的なもの。結局いろいろ、ということなんですね。


no.126(10/9/4)
ただ、一つのことだけはいえる。大自然が変化をしないで留まっていることは絶対にない。

ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス著/松井孝典監修/土屋晶子訳 『フューチャー・イズ・ワイルド』

必ず変化します。


no.127(10/10/5)
大坂の陣は、家康によって準備され、秀忠、本多正信・正純、崇伝そして高虎らの政権中枢にあった人々が一致しておこした粛清劇とみられる。

藤田達生 『江戸時代の設計者 異能の武将・藤堂高虎』

大坂の陣は準備された「政策」。


no.128(10/11/4)
(付録Aに、ウィンストン・チャーチルがニンジンだったことの証明が掲げてある)

チャールズ・サイフェ著/林大訳 『異端の数 ゼロ』

チャーチルがニンジンであった。お遊びめいた例題ですが、いかにも数学者でいかにも外国らしくてなぜか感心。


no.129(10/12/4)
ところで、このような、後世の偽作と思われる「古史古伝」には実作者(たち)の思想や彼(ら)の生きた時代の思潮が色濃くあらわれる場合があるのは当然と言えば当然である。

佐伯修 『偽史と奇書の日本史』

偽書に限らず、歴史を扱った小説とかドラマでも普通に見られる現象ですね。ほどほどに納めてくれていれば違和感も少ないのですが…


no.130(11/1/9)
アリストテレスの『政治学』と『自然学』を読めば、彼が現代のテクノロジーには仰天しただろうが、現代の政治は知り尽くしていたと実感できる。

J・ストーズ・ホール著/斉藤隆央訳 『ナノフューチャー 21世紀の産業革命』

人間、そうそう変わらないと。


no.131(11/2/4)
家康の成功から、ツキ分を除いてしまったら何が残るだろうか。

鈴木眞哉 『戦国時代の大誤解』

そんな気もしますが、そこまでボロカスに言わんでも(笑)。


no.132(11/3/5)
いま、麻也姫の口からそれをきいて、源太は闇の中で、野末にもえる太陽や、はるばると吹きなびいてゆく草の波までまざまざと見た。それから、白い馬にゆられてゆく麻也姫と、そのうしろにつづくじぶんと―― 六人の仲間、唄声。ひるがえる香具師の旗。

山田風太郎 『風来忍法帖』

これ、主人公が香具師とかいってわけ分からんし、あんまり期待しないで読んだんですけど、結果、十いくつ読んだ忍法帖の中で一番よかったかも。やり過ぎ感漂うギミックとキャラクタ、目まぐるしく変わる場面と筋立て。そして、泣けるヒロイズム。最高に好みです。


no.133(11/4/4)
ヘイズはとつぜん耐えがたいほどの孤独を感じた。

ロバート・F・ヤング/伊藤典夫・訳 「リトル・ドッグ・ゴーン」

ヤングといえばセンチメンタルな作風で、メジャーとは言いがたいが熱く支持している古参SFファンも多いそうな。ただ真直ぐと綺麗であったかいものを描くというのは、好きですね。斜に構えたものよりよほど好きです。そのヤングの一篇から。


no.134(11/5/3)
梯子はいったん上りだすとどこまでも高くつづいて……俺はもう、さすがに上るのが苦しくなってきているんだが、それはまだまだつづいているらしくて……。

松井今朝子 『仲蔵狂乱』

まずコミック版から入って原作小説を読んでみた作品。コミック版の方は残念ながら、明らかな尻切れとんぼで終了しましたが、小説の方は堂々たる役者一代記。とっつきにくい題材を扱ってるのに読みやすくて、時代小説、歴史小説に馴染んでない方もぜひ。


no.134(11/6/6)
寄合で使う菓子一つをとっても、慣例として銘柄が決まっていたのだ。

山本博文 『鬼平と出世 旗本たちの昇進競争』

同僚との会合で出すお菓子の銘柄を間違えて大変なトラブルに発展したという江戸時代の武士のお話。酷い話ですが、慣例、儀礼というのはこういうことになりがちなんだよなあと。


no.135(11/7/2)
論理とは、相当以上の確率で起きることを指摘した道筋に過ぎない。

有栖川有栖 『乱鴉の島』

ミステリといえばこういう感じでこなくっちゃあいかんですな(笑)。


no.136(11/8/2)
システムエラーが起きました。

(昔のMacintoshに出てくるエラーメッセージ)

昔のマックユーザにとってはまるで親友のようなメッセージです。このあとにエラータイプとか表示されます。私の場合、エラータイプ11がよく出ました。それが分かったからといって、並のユーザには特段何の対処も仕様がないのがいいところです。



メールをどうぞ:akijan@akijan.sakura.ne.jp