オン・ザ・コーナー
ON THE CORNER
マイルス・デイヴィス
MILES DAVIS
『都市のトパーズ』に登場
 ”帝王”マイルスのちょっと変わり種かも知れないアルバム。『都市のトパーズ』からの登場です。
 マイルス・デイヴィスという人もチック・コリアと並んで島田作品にはよく出てくる名ですね。私も詳しくないのですけど、この人はジャズの初期から絶頂期にかけて第一線を走り続け、ジャズが斜陽となってからも電気楽器や新しい手法をどんどん取り入れて生き残り、1991年(だったと思うけど・・・)に亡くなるまでジャズの生き証人、帝王と呼ばれた人物です。ちなみにトランペッターなのです。
 オン・ザ・コーナーというアルバムはマイルスがどうやらジャズらしいジャズから離れ、速いテンポの音楽に流れていった時代のアルバムということになるようです。『都市のトパーズ』にあるとおりアフリカを感じさせるちゃかぽこという音が印象的。評価も高い一枚です。
 聴いてみると「オン・ザ・コーナー」は、30年前の作品とは思えないくらい「新しい音」に溢れています。これはおととい出たばかりのアルバムだよ、と言われても信じてしまうほどに。つまり、マイルス・デイビスというアーティストは、30年後の音楽を聴く耳を持っていた、ということ。「帝王」の理由を、この作品で感じてみましょう。