北の夕鶴2/3の殺人 | ♪♪♪♪# |
吉敷シリーズ三作目。評価も高い作品。99年『涙 流れるままに』に接続する作品でもある。モーさん登場。 別れた妻・加納通子から吉敷へ、5年ぶりに電話がかかってきた。通子は「声が聞きたかっただけ」と言って電話を切った。吉敷は彼女の姿を求め上野駅へと向かう。しかし上野駅で通子と再開できたのは、「ゆうづる9号」の窓ごしに数秒だけだった。翌日吉敷は、「ゆうづる9号」車内で女の死体が発見されたという話を聞く。同僚の語る女の様子は、数秒かいま見た通子の姿に余りにも似ていた・・・ |
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島荘テイストスーパーノヴァ(興奮しすぎて意味不明)!!吉敷シリーズとしての社会性は未だ薄いものの、吉敷竹史個人のキャラクターを深く掘り下げ、小説としての厚みは前作までと比べ格段に増した、と思います。時刻表トリックから離れたという意味でも、吉敷ものの転換点となった作品。代わりに実に島田荘司らしいトリックを用いています。さらに島田荘司お得意の雰囲気づくり、亡霊や夜鳴き石も効いてます。 身体を張って闘う吉敷がもの凄くカッコいいです。女性ファン180%増でしょうね(当社比)。それを語る島田荘司の筆致のハイテンションさもドラマを盛り上げます。普通ならシラけてしまうかもしれない展開に文体なんですが・・・恋愛小説を書くと島荘はとんでもないパワーを発揮することがありますね。本当に吉敷がいい。男だなぁ(うっとり)。牛越との会談シーンは泣きましたよね?ね?解決編では吉敷が御手洗になってしまったかと思いましたが(笑)。あと、通子もいいんです。男性ファン180%増(当社比)。 『涙 流れるままに』に接続するという意味でも重要な作品ですね。吉敷シリーズの重要なファクターである加納通子を理解するためにも、吉敷シリーズになくてはならない作品。必読ですよ、奥さん!
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