あ行項目

相倉クミ愛犬の栄養食ビタワン青葉照孝アカ赤松稲平秋元静香アサミちゃん阿南安部豪三「生き馬の・・・」石岡和己石川敬介石川良子石原修造石橋敏信糸井玄爾井原源一郎「いや気違いです!」上田一哉牛越佐武郎梅沢平吉江本君大楠大貫緒方厳三尾崎・大熊尾崎善吉

相倉 クミ               

分類  :登場人物

出演作品:『斜め屋敷の犯罪』

 菊岡栄吉の秘書(笑えることに『斜め屋敷の犯罪』の人物紹介には「秘書兼愛人」としっかり書いてある)。子猫を思わせる愛くるしい顔だちのようである。流氷館では浜本英子と熾烈な女のバトルを繰り広げる。図書館において御手洗にやり込められるシーンは必見。

愛犬の栄養食ビタワン          

分類  :用語

出演作品:「舞踏病」

 パッケージに描かれた犬の絵が、陣内屋主人の陣内巌氏にそっくりなのだそうである。ところで、このビタワン(ソフトタイプ)というやつはもの凄く不味いので、人間は絶対に食べないほうがよい。じゃりじゃりとした食感は綿アメそっくりなのだが、この世のものとは思えない甘苦い味がする。ミルク&ビーフと抹茶&ビーフ、チーズ&ビーフにビーフのみという4種類が袋に入っているが、ビーフのみが特に最悪だ。犬にだけ与えるのが得策。

青葉 照孝               

分類  :登場人物

出演作品:「ギリシャの犬」

 「日本のオナシス」と呼ばれる、ギリシャ在住の海運業者。成功するまでにはずいぶん悪どいこともやったらしい、というのは御手洗の言。グリースという名の素晴しいシェパードを飼っており、そのグリースはのちに御手洗と仲良しになる。
 青葉淑子という妹と、康夫という小学生の息子がいる。康夫は日本で淑子に育てられていたのだが、何者かに誘拐され、一億の身代金を要求された。

アカ                  

分類  :登場人物

出演作品:「疾走する死者」

 タックこと隈能美堂巧が善福寺公園でサックスを吹いていた時に知り合ったトランペッター。タックによると、アカというのに顔色は蒼く、無精髭を生やした中肉中背らしい。

赤松 稲平               

分類  :登場人物

出演作品:「山高帽のイカロス」

 人間は空を飛べると主張し、日頃から人間が空を飛ぶ絵ばかり描いていた画家。両手を広げ、まるで空を飛ぶような格好をして空中の電線に引っかかった形で、死体として発見された。

秋元 静香               

分類  :登場人物

出演作品:「ある騎士の物語」

 石岡君の大学の先輩で、ブティック経営者。横浜の大地主の息子と結婚した。藤堂次郎の元恋人であり、1974年の藤堂次郎殺害事件に関係している。武蔵野美術大に通っていた。と、いうことは石岡君も武蔵美大出身であろう。事件当時、「クイックサービス」社のマスコット的存在で、社員4人のアイドルであった。
 弟、秋元哲夫はクイックサービス社系列のカレーショップで殺害される。

アサミちゃん              

分類  :登場人物

出演作品:「疾走する死者」

 バー「糸ノコとジグザグ」の女の子。タックの見るところによるとハーフのようである。島田荘司が描く女の子の一典型で、カルーい喋り方をする少々脳味噌が足りない人物。

阿南                  

分類  :警官

出演作品:『斜め屋敷の犯罪』

 稚内署、巡査。父は広島出身、祖母は沖縄の出身。ビリヤードに興じる姿はなかなか好感が持てる。しかし御手洗に南大門と改名されてしまい少しかわいそう。

安部 豪三               

分類  :登場人物

出演作品:『占星術殺人事件』

 画廊喫茶「メディシス」常連の一人で画家。太宰治と親しかったという。

生き馬の目を抜く厳しい女の世界     

分類  :台詞

出演作品:『暗闇坂の人喰いの木』

 幸せというものは自らやっては来ないということをよく理解している世の女性たちが、どういう世界に属しているのかということを表現した言葉。もちろん御手洗の台詞である。わずかに15文字の文字列に過ぎない、しかし極めて厳しいこの表現を初めて目にしたとき、私(秋月ジャン)は震え上がったものである。

石岡 和己               

分類  :石岡君

出演作品:御手洗ものなど多数

 石岡君。島荘ワールドの主要構成人物の一人。御手洗潔の無二の友人。御手洗ものの多くで記録者を務めた。初期御手洗もの作品では御手洗の変人ぶりにほとほと困り果て、絶交を言い渡しかけたこと多数。しかし、年を経るにしたがい気弱になっていった。それは御手洗という余りに巨大な個性を前にして萎縮したためでもあったろうし、長い間女性にモテず男としての自信を失いかけていたためでもあったろう(愛する人がいる吉敷の何とたくましいことか!)。いずれにしても彼が弱くなって行ったのは御手洗の影響が強かったと思われ、その傾向は短編「山高帽のイカロス」あたりから顕著に見られる。短編「近況報告」などではDNAを知らないと発言し、とても「自分は知能指数は低くない」と言っていた(『占星術殺人事件』)男と同一人物とは信じられない状況にまで陥った(もっともこれは、御手洗のために自信を失いつつあった石岡君が、以前から知っていたDNAという用語を自分は間抜けだから知らないのだと思い込み、本当に忘れてしまったための発言と私は信じている(信じていたのだが、短編「山手の幽霊」において本当に知らなかったということが明かされた。ショック))。後年、御手洗が日本を離れた理由の一つには彼の存在があったためと思われる。石岡君はこれを「御手洗に捨てられた」と一時解釈していたようだが、そうではない。御手洗は石岡君を案じて、石岡君から離れたのだ。つまり御手洗は、自分の影響が余りに強すぎるために石岡君が自信のない気弱な人間になりつつあると考え、石岡君のもとを去ると決断したと考えられるのである(もっとも、御手洗のことだからそれだけの理由ではなかろうが)。かくして石岡君は御手洗の影響下にある生活から脱却し、(なぜか)抜け殻のような生活を送っていたわけだが、ある事件を機に(『龍臥亭事件』)自信を取り戻し、いよいよ人生の第二ステージへとはばたく事になる(それには御手洗の温かい助力もあったのだ)。長きに渡る自信喪失の時代を抜け、ある意味ホームズとワトソン両方の能力を兼ね備えた存在となり部分的に御手洗を超えたかもしれない石岡君は我ら凡人のヒーローだ。私も勇気づけられたクチで、彼のおかげで生涯の仇敵、ゴキブリと互角に闘えるまでに成長出来た。ありがとう石岡君。
 1950/10/9生まれ。以前からホモと言われたり、弱腰と言われたりしていたが、最近はロリコン説が立っている不幸な人だ。最近徹底的に嫌っていた英語を勉強し始めたようである。

石川 敬介               

分類  :登場人物(記録者)

出演作品:『異邦の騎士』

 高円寺近くの公園で、身体中に傷を負った姿で倒れており、おまけに記憶を失っていた男。石川良子という女に助けられ、同棲を始める。そのために、良子の「石川」という姓を名乗り、さらに「敬介」という名をつけてもらったのである。その後御手洗潔と知り合い、彼の協力を得て自分探しを開始する。
 のちに「益子秀司」という名が書かれた免許証を持っていたことが判明した。

石川 良子               

分類  :登場人物

出演作品:『異邦の騎士』

 石川敬介を拾った女。1978年当時、19歳。石川敬介の記述によると、丸顔、鼻は高く、目が異様に大きい。肌が白く可愛らしい魅力的な娘である、ということである。石川敬介と同棲を始めてからしばらく経つと奇行が目立つようになる。
 昭和33年5月24日生まれ。母はたか子といい、『異邦の騎士』にも登場する。

石原 修造               

分類  :登場人物

出演作品:「数字錠」

 吹田久朗と同郷の知り合い。竹越刑事いわく遊び人で、青梅街道沿いにスナックを二件経営している。

石橋 敏信               

分類  :登場人物

出演作品:『占星術殺人事件』

 飲み屋「柿の木」の常連で、売れない画家(ただし日曜画家)。昭和十一年当時三十歳くらいであった。

糸井 玄爾               

分類  :登場人物

出演作品:「疾走する死者」

 浅草橋、Tハイム内「バード・ケイジ」の主人にして、バー「糸ノコとジグザグ」のマスター。と、いうことは御手洗とは結構親しいのであろう。セロニアス・モンクのような帽子を被った好々爺。通称ムンさん。妻の名は伸子。

井原 源一郎              

分類  :登場人物

出演作品:『異邦の騎士』

『異邦の騎士』において非常なキーを握る。

「いや気違いです!」          

分類  :台詞

出演作品:「疾走する死者」

 石岡君が御手洗を評した台詞。アサミちゃんが御手洗のことを石岡君に聞いた時、彼は「ありゃ気違いですよ」と言った。反論を試みるアサミちゃんに対して石岡君はさらにこう言い切ったのである。なんと格好いい!
 タックには「二人の仲は決して上々とはいえないように僕には思えた」という印象を抱かせたこの台詞だが、だからといって二人は本当に仲が悪いわけではなく、実は深い友情で結ばれているのである。

上田 一哉               

分類  :登場人物

出演作品:『斜め屋敷の犯罪』

 菊岡の運転手。岡山生まれ、大阪育ち。二十五で自衛隊に入隊し、二十九で菊岡の運転手となった屈強な男。人付き合いが悪い。流氷館の密室で、踊る様な奇妙な格好のまま死んでいるのを発見される。

牛越 佐武郎              

分類  :刑事

出演作品:『死者が飲む水』
     『斜め屋敷の犯罪』
     『北の夕鶴2/3の殺人』他

 北海道は札幌署の、心優しきゆったりのんびり刑事。主要脇役キャラのうちでも年上のほうで、落ち着いた雰囲気。彼が登場すると場の空気そのものが緩むのだ。初期から中期の吉敷シリーズにはかなり登場し、『北の夕鶴』では吉敷にかなり尽力した。彼がいなければ今の吉敷はあるまい。『死者が飲む水』では何と主役として登場。ゆったりのんびり(?)地道な捜査で事件を解決。また、御手洗ものの『斜め屋敷の犯罪』に出演したため、本人は座して停年を待つのみなんて言うのに、北海道の「おかしな事件担当刑事」として認知されている。
 相性は性格から(容貌も?)「モーさん」。寒くなると神経痛に悩まされる。私はこのゆっくり優しいモーさんが大好きだ。また元気に島荘作品へ出演してくれるのを楽しみにしている。もう停年迎えて、ゆっくり暮らしてるのかしら?1932/5/11生まれ。おや、昭和七年だ。

梅沢 平吉               

分類  :登場人物

出演作品:『占星術殺人事件』

 有名な「アゾート手記」を残した人物。占星術に造詣が深い。その占星術理論に基づき、六人の女性を殺し、彼女らの身体の各部を合成して「アゾート」という完全なる人体を製作しようと目論んだ。しかし結局彼はその野望を果たす前に何者かに密室内で殺害される。
 彼の殺害後、後妻・昌子との長女の一枝が殺され、さらに次女の知子、三女の秋子、四女の雪子、前妻・多恵の子の時子、弟の吉男とその妻・文子の長女、礼子、次女の信代がそれぞれ遺体の一部を切り取られた形で次々と全国の土の中から発見された。

江本君                 

分類  :いい人

出演作品:『占星術殺人事件』

 京都在住で、御手洗の友人。占星術事件の時、近畿まで調査に来た御手洗と石岡君に自宅を宿として提供したいい人。職業は板前さん。長身で五分刈り。昭和二十八年生まれ。本当にいい人。どうしてこんな人と御手洗が知り合いなんだ?

大楠                  

分類  :木

出演作品:『暗闇坂の人喰いの木』

 樹齢二千年の大クスノキ。呪われているとのもっぱらの噂で、その噂にたがわず、戦前戦中戦後と奇妙な事件の中心に屹立し続ける。石岡君が暗闇坂事件の犯人と指摘。

大貫                  

分類  :登場人物

出演作品:「疾走する死者」

 「疾走する死者」事件の日、「バード・ケイジ」を初めて訪れたジャズ評論家。雑誌などでよく見られる有名人らしい。モダン・ジャズひと筋のカタい評論家と描かれている。

緒方 厳三                

分類  :登場人物

出演作品:『占星術殺人事件』

 飲み屋「柿の木」で梅沢平吉と知り合った人物。マネキン工房の社長。

尾崎・大熊               

分類  :刑事

出演作品:『斜め屋敷の犯罪』

 尾崎は札幌署の刑事。大熊は稚内署の刑事。尾崎は若く、牛越と組んで流氷館に派遣されたのである。

尾崎 善吉               

分類  :登場人物

出演作品:「紫電改研究保存会」

 本人いわく、紫電改研究保存会会長。作品中では白い背広、白いズボン、白い帽子、白いたてがみの様な髭、丸眼鏡というぶっ飛んだいでたちだった。正にケンタッキーフライドチキン男である。
 戦時中は情報部にいたと本人は語るが、どこまで本当なのかは不明。嵐のように現われ、嵐のように去っていった人物であった。